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DJWシンポジウム2024: 日本の少子化問題と外国人人材の受入れ

今年も東京都にある衆議院会館の会議室で日独産業協会(Deutsch-Japanischen Wirtschaftskreis:DJW)のシンポジウムが開催され、Enobyteのメンバー4人が参加してきました。今回のシンポジウムでは、「日本の少子化問題と外国人人材の受け入れ」がテーマとして挙げられ、話し合われました。

シンポジウムはDJW理事長のゲアハルト・ヴィースホイ氏の開会ならびにペトラ・ジグムント駐日ドイツ連邦共和国大使による挨拶により始まりました。続く基調講演では、関西国際大学の毛受敏浩客員教授から、「日本における移民政策」についてお話がありました。その中で、毛受教授は、現在、日本の中で人口が増えているのは東京都だけであること、更に、昨年日本人は約87万人減少したということに触れられていました。そして、もし、現在の外国人受け入れのペースを維持した場合、政府が現在予想をしているよりも速いペースで日本における外国人の割合が増加をしていき、必然的に、日本では外国人と暮らしていくということが近い未来に起こるのではないかと予測されていました。

このように、日本では少子高齢化による労働人口減少という社会問題があり、「移民」の定義が政府の公式見解として成されていない中、外国人労働者を多く受け入れており、今後、日本は外国人との「共生」を真剣に考えていくべきであると感じました。

次に、群馬大学の結城恵教授は、実際にご自身が取り組まれている、群馬県での「外国人の就労課題」の解決についてお話をしていただきました。まず、日本の大学生の内定率が98%と非常に高い数字であるほか、就職活動の早期化が進んでいる一方で、外国人留学生の内定率は50%以下であり、更に日本独特の就活方法を理解できず、どのように就活すればよいかわからない学生が多くいると指摘されておりました。このような状況の中で、群馬大学では、「GHKG」(グローバル・ハタラクラスぐんま)プロジェクトを行い、外国人留学生の県内定着を促進する教育プログラムを行っているとお話をされていました。更に、このプログラムをすべて受講した留学生の就職率は、なんと97%とのことでした。このお話を聞いて、日本で働きたくても、そもそも日本の就職活動の方法がわからない留学生がたくさんおり、そのような人々をサポートする体制構築が必要だと感じました。

最後に、SOMPOホールディングスの渡部一文グループCXO執行役常務から、「日本とASEAN諸国との関わり方」についてお話がありました。その中で、これまでの日本とASEANの関係性は変化してきており、語学やビザ取得の問題などにより、日本では、ASEAN諸国からの労働者を活用できていないのではないかとご指摘されました。そして、現在ASEAN諸国は発展途上の段階の国々が多くあることに触れられ、そのような国々が将来的に、現在日本が陥っているような少子高齢化問題などに直面した際に、日本で学んだことを自国で発揮できるように人材育成を日本で行うような関係性の構築が必要ではないかと仰っていました。

パネルディスカッションのあとには、今回のシンポジウムに参加された方々と今回お話し頂いた3方でQ&Aセッションが設けられ、活発な議論が行われていました。そして、シンポジウムの最後には、DJW副理事長の成川氏により、今回のシンポジウムで話し合われた内容および結果の総括が行われ、2024年秋のDJWシンポジウムは幕を閉じました。その後は大広間で懇親会が開かれ、シンポジウムの登壇者および参加者からさまざまなお話しを聞くことができました。

2025年のDJWシンポジウムも楽しみにしています。