- (1) 主監督機関は、本条に従い、合意に至る努力を尽くして、他の関係監督機関と協力するものとする。 主監督機関及び関係監督機関は、相互に、全ての関連情報を交換するものとする。
- (2) 主監督機関は、いつでも、他の関係監督機関に対し、第61条による共助の提供を要請することができ、また、とりわけ、調査を行うため、又は、別の加盟国に設けられた管理者又は処理者に関する措置の実装を監視するために、第62条による共同の職務遂行を行うことができる。
- (3) 主監督機関は、遅滞なく、他の関係監督機関に対し、案件と関連する情報を伝達するものとする。 主監督機関は、遅滞なく、他の関係監督機関に対し、それらの関係監督機関の意見を求め、そして、その見解を適正に考慮に入れるため、決定案を送付するものとする。
- (4) 本条の第3項に従って協議がなされた後、4週間以内に、他の関係監督機関がその決定案に対して関連性があり理由を付した異議を述べたときは、その主監督機関は、その関連性があり理由を付した異議に従わない場合、又は、その異議が関連性のないもの、若しくは、理由のないものであるとの意見をもつ場合、第63条に規定する一貫性メカニズムに対し、その案件を送付する。
- (5) その主監督機関が、その関連性があり理由を付した異議に従う意向である場合、その主監督機関は、他の関係監督機関に対し、それらの関係監督機関の意見を求めるため、改訂版の決定案を送付する。 改訂版の決定案は、2週間以内の期限で、第4項で定める手続に服するものとする。
- (6) 第4項及び第5項に規定する期間内に、主監督機関から送付された決定案に対して他の関係監督機関から何らの異議も述べられなかった場合、主監督機関及び関係監督機関は、その決定案に同意したものとみなされ、かつ、それによって拘束されるものとする。
- (7) その主監督機関は、その決定書を採択し、かつ、管理者又は処理者の主たる拠点又は単一の拠点に対して通知し、場合によっては、他の関係監督機関及び欧州データ保護会議に対し、関連事実の要旨及び決定理由を含め、当の決定を通知するものとする。 異議を申立てられた監督機関は、その異議申立人に対し、その決定に関して通知するものとする。
- (8) 第7項の例外として、異議申立てが棄却又は却下となる場合、異議を申立てられた監督機関は、その決定書を採択し、それを異議申立人に通知し、かつ、その管理者に対し、その旨を通知するものとする。
- (9) 主監督機関と関係監督機関が異議の一部について棄却又は却下し、その異議の残部について措置をすることに合意するときは、それらの事項各部分に分けた別の決定書を採択するものとする。 その主監督機関は、管理者に関する措置と関連する部分について決定書を採択し、その加盟国の領土上にある管理者又は処理者の主たる拠点又は単一の拠点に対してそれを通知し、そして、異議申立人に対してその旨を通知するものとする。一方、異議申立てを受けた監督機関は、当該異議の棄却又は却下に関係する部分に関する決定書を採択し、当該異議申立人に対してそれを通知し、そして、管理者又は処理者に対し、その旨を通知するものとする。
- (10) 第7項及び第9項による主監督機関からの決定書が通知された後、管理者又は処理者は、EU 域内にあるその全ての拠点の中における取扱行為に関して、その決定の遵守を確保するために必要となる措置を講じなければならない。 管理者又は処理者は、主監督機関に対し、その決定の遵守のために講じられた措置を通知しなければならない。主監督機関は、他の関係監督機関に対し、それを通知するものとする。
- (11) 例外的な状況において、関係監督機関が、データ主体の利益を保護するために行動すべき緊急の必要性があると判断する理由があるときは、第66条で定める緊急の手続が適用するものとする。
- (12) 主監督機関及びそれ以外の関係監督機関は、本条に基づき求められる情報を、電子的な手段により、標準的なフォーマットを用いて、相互に提供するものとする。
一般データ保護規則(GDPR)条項
第60条