- (1) 取扱いの対象が、人種的若しくは民族的な出自、政治的な意見、宗教上若しくは思想上の信条、又は、労働組合への加入を明らかにする個人データである場合、並びに、取扱いの対象が遺伝子データ、自然人を一意に識別することを目的とする生体データ、健康に関するデータ、又は、自然人の性生活若しくは性的指向に関するデータである場合、当該取扱いは、禁止される。
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(2)
第1項は、以下のいずれかの場合には適用されない。
- データ主体が、その個人データの取扱いに関し、一つ又は複数の特定された目的のために明確な同意を与えた場合。ただし、EU 法又は加盟国の国内法が第1項に定める禁止をデータ主体が解除できないことを定めている場合を除く。
- 取扱いが、雇用及び社会保障並びに社会的保護の法律の分野における、管理者又はデータ主体の義務の履行または特別の権利の行使の目的のために必要であり、かつ、それがEU 法若しくは加盟国の国内法により認められている範囲内、又は、データ主体の基本的な権利及び利益のための適切な保護措置を定める加盟国の国内法による団体協約に基づき認められる範囲内である場合。
- 取扱いが、データ主体又はその他の自然人の生命に関する利益を保護するために必要であり、かつ、データ主体が物理的又は法的に同意を与えることができない場合。
- 取扱いが、政治、思想、宗教又は労働組合の目的を有する財団、協会その他の非営利組織により、適切な保護措置を具備するその正当な活動の過程で行われ、かつ、その取扱いが当該組織の構成員若しくは元構成員、又はその目的に関連して当該組織と継続的に接触を持つ者のみに関するものであり、さらに個人データが当該組織の外部に同意なしに開示されないことを条件とする場合(この場合のデータ主体は当該構成員等に限る)。
- 取扱いが、データ主体によって明白に公開のものとされた個人データに関する場合。
- 取扱いが、訴えの提起、権利の行使若しくは防御のため、又は裁判所がその司法上の権能を行使する際に必要となる場合。
- 取扱いが、EU 法又は加盟国の国内法に基づき、求められる目的と比例的であり、データ保護の権利の本質的部分を尊重し、また、データ主体の基本的な権利及び利益の安全性を確保するための適切かつ個別の措置を定めることを条件として、重要な公共の利益を理由として必要となる場合。
- 取扱いが、予防医学若しくは産業医学の目的、労働者の業務遂行能力の評価、医療上の診断、医療若しくは社会福祉又は治療の提供、又は医療制度若しくは社会福祉制度及びそのサービス提供の管理の目的のために必要であり、かつEU 法又は加盟国の国内法に基づき又は医療専門家との契約により行われ、さらに第3項で言及される条件及び保護措置に従う場合。
- 取扱いが、公衆衛生の分野における公共の利益の理由、例えば健康に対する国境を越える重大な脅威からの保護、又は医療及び医薬品若しくは医療機器の高い水準の品質及び安全性の確保のために必要であり、かつ、そのためのEU 法又は加盟国の国内法がデータ主体の権利及び自由、とりわけ職務上の秘密を保護するための適切かつ個別の措置を定めている場合。
- 取扱いが、第89条第1項に従い、公共の利益における保管の目的、科学的研究若しくは歴史的研究の目的又は統計の目的のために必要であり、かつ、それがEU 法又は加盟国の国内法に基づき、求められる目的と比例的であり、データ保護の権利の本質的部分を尊重し、また、データ主体の基本的な権利及び利益の安全性を確保するための適切かつ個別の措置を定める場合。
- (3) 個人データで、第1項に言及されるものは、第2項(h)に定める目的のために、そのデータがEU 法若しくは加盟国の国内法又は加盟国の職務権限を有する組織によって設けられた準則に基づく職務上の守秘義務に服する専門職にある者によって、又はその者の責任の下で、あるいは同様の守秘義務に服するその他の者によって取扱われる場合に限り、取扱うことができる。
- (4) 加盟国は、取扱いに関し、遺伝子データ、生体データ又は健康に関するデータについて、その制限を含め、付加的な条件を維持又は導入することができる。
一般データ保護規則(GDPR)条項
第9条